読書の秋、なのだそうだ。
秋の夜長はやることがないから、本を読むのに都合がいいってわけだ。お天道様を中心にした暮らしをしていた頃はそのとおりだったんだろうなあ。薄暗い電燈の下で白熱球のスタンドを点け、温かなひざ掛けを巻いて、ようやく手に入れた本をじっくりと噛み砕くように・・・なんて読み方ができる時間があったらいいのになあ。
我が家ではテレビを見ないおかげで一年中が秋の夜長だから、夕食が終わったあとはごろりと横になって本を読むのが、寝るまでの間の過ごし方の基本である。本来であれば、きちんと座ってスタンドの明かりの下で読むのが正しい読書なのだろうが、ごろりとなるほうが優先なのだから仕方がない。
そうやって読んでいると、時間にして5分、ページ数でも5ページぐらいの経過で限界がやってくる。
うつ伏せの時は活字が巨大化するという現象が現れる。いつの間にか本と目の距離が近くなったまま意識が途切れてしまい、再びスイッチが入った時には目の前に活字があるからだ。
仰向けになっている時の現象はちょっと痛い。「こらーっ、寝るんじゃねーよ!」と本が上から顔を襲ってくる。だから最近は仰向けで読むときは文庫本にすることにしている。ハードカバーに襲われた日には、顔に怪我をすることになりかねないから。2007/11/13