スウェーデンの家具店IKEAが発表した調査によると、東京に住む人の睡眠時間はロンドン、ストックホルム、パリ、ニューヨークなどの5都市に住む人と比べると、ずいぶん短いのだそうだ。一番長いパリと比べると1.6時間も睡眠時間が短かくて、7.3時間だって。平均で7時間以上寝ているんだから充分じゃないかと思うのだけれど、時間だけではなくて東京の人は睡眠の満足度も低いのだそうだ。そのために起きる仕事上のミスや効率の低下を金額に換算すると、4757億円にもなるという。でも、パリの人たちの仕事の効率がどれほど高いのかと考えると、よく眠ると仕事の効率が本当に高くなるものなのかどうかは疑問だと、最近は毎日明け方の3時にシカの鳴き声で目を覚ますおっさんは思う◆仕事の効率よりも仕事自体の質が問題だし、効率の良い仕事を詰め込まれてたくさん稼ぐより人間らしく楽しい生き方を優先すれば、当然眠る時間や満足度も高くなるのだろう。その優先順位が違うことが睡眠時間とその質の差になって表れているのだろうけれど、それは国民性とでもいうべきものだから簡単には変わらない。オリンピックを誘致して原発を再稼働させて、自分の足元で放射能がダダ漏れなのに原発を輸出するという国の首都は、睡眠時間よりも消費を喚起してカネ回りをよくすることに躍起なのだ◆シカの王国で暮らすおっさんは、週7日間の仕事に耐えるために毎日とにかく深くぐっすりと眠ることを心掛けている。そのために家ではネット環境をOFFにする。テレビもまったく見ない。休みで時間があるときは本を読む。最近新しいスマホが発表されたのでいよいよガラケーから乗り換えるかと考えたこともあったが、家でゆっくり眠るためのデジタルOFFの環境を守るためにやめた。家に帰ったらとにかく脳を興奮させないように、ゆっくりとひとつずつスイッチを切っていく。だから10時前にはもうすべてのスイッチがOFFになって、朝までぐっすりと眠ってしまう。間近でシカさえ鳴かなければ・・・◆思い返せば2001年のニューヨークのテロの時も、テレビがついていなかったおかげで、朝刊を見るまで何も知らずにぐっすりとよく眠っていた。テレビを見ていた人は興奮して寝付けなくなり、朝までテレビを見続けてしまった人も多かったらしい。世界的な大事件だったけれど、朝まで知らなかったからといって何も困ることはなかった。ネットやテレビなどで流れている情報の中で、その時に知っておかなければならないものがどれだけあるかを考えると、夜はデジタルOFFにしてさっさと眠った方が良いのだ。よけいな情報で頭を興奮させて眠りが浅くなっているのなら、それこそ数値化して無駄だと唱えてみた方が良いのだろうに。