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今年の夏もお盆に5日間の休みを頂き、遊びに出ることにしました。一昨年は四国、昨年は九州と西にばかり足が向いていたので、今年は久々に東に足を向けることにしました。岩手に行きます◆毎年夏は遠くまで出かけてきたのですが、東北へ向かうのは何と12年ぶり。まだ子供たちが全員参加していたビンボーツアーで秋田に行って以来です。秋田に行った時は、野山や気候風土がどことなく信州に似ていて、あまり遠くに来たという感じがしませんでした。西に向かうと暑い陽射しの中でクマゼミが鳴き、鬱蒼とした照葉樹林の向こうに海が見える、といった具合に信州とは趣の違う夏があります。その点、東北地方で聞こえるのはエゾゼミの声ですし、山の木も落葉樹とアカマツが中心で信州とよく似ているのですね。だから、どうもつまらない。どうせ遠くに行くのならエキゾチズムを感じたいので、ほとんどの人にとってはどうでもいいことのはずですが、クマゼミと照葉樹林の世界に足が向いてしまったのです◆でも、今年はずいぶん早い時点で東北に向かうことを決めていました。やはり大震災から3年が経過したという節目を意識していたのです。無能であるがゆえに復興をお手伝いできる訳でもないので、大きな災害の爪痕をせめて自分の目で見て胸に刻んでおきたい。そのためには3年というのは節目だ。これ以上時間が経つと良くも悪くも風化が始まる。よそ者が見に行くにはこのタイミングが良いと思ったのです。被災地に行ったとしても、現地の人に根掘り葉掘りインタビューするわけでもありません。ただ、海が陸地を飲み込んだ痕を自分の目で見ることで、そこで起きたことに少しは現実感が高まるだろう、という儚い期待があるだけです。でも、現地を見て湧き上がる現実感というものは、映像や報道で得られるものとは質が違うはず◆お盆は13日(水)夜7時まで営業しますが、店主は一足先に13日午後から店を退き、その日のうちに福島の郡山まで足を進めます。その後はテント泊で久慈から三陸海岸を舐めるように南下し、17日までの3日間を三陸海岸ですごし、18日に帰宅。19日から営業再開という段取り。相変わらず休養日というものがなく、疲れるということを計算に入れてません。かなりカラダが疲れることはわかってますが、それ以上にカラダにエネルギーが補充されるので、乗り切ってしまえるのです◆今は時間ができると情報集めに余念がありません。一番大事なテント場情報はほぼ洗い尽くし、だいたいの目星を付けました。この目星とは他人のクチコミ情報がベースになっていて、いろんな人がいろんな思惑で書いているもの。現地に着いてみると結構クチコミから受けた印象とは違うこともあって、途方に暮れることもあります。それはまたそれで楽しめばよい◆ふつうは旅先で泊まる宿は決めてから出かけるものですが、今回も決めてあるのは2泊目まで。あとの3泊はいくつかの候補地から気に入ったところにテントを張るという、行き当たりばったり。私は多少条件が悪くてもなんとか耐えられますが、カミさんはどこでもゴロリとはいかないので、納得するまで条件の良いテント場を探し回ることになります。風呂に入れてきれいなトイレと静かな場所、というなかなか厳しい条件です。宿といってもどうせ二人で1万円もしない安宿しか使わないのですから、あらかじめ決めてあげたら気楽な旅になることはわかっているのですが、前もって仕入れた情報を確認するような旅じゃつまらないでしょ。あっ、うっ、げっ、ということが途中で起きるから面白いのですよ。さすがにこの齢になるとしんどいこともあるけれど◆三陸海岸の被災地を巡るということを書きましたが、今回の旅の目的はそれだけではありません。やはり、岩手でなければ得られない食べものや、身の回りの道具などを見て歩くことが楽しみです。問題はそれがどんなところにあるかわからないこと。ネットで調べれば物産館や道の駅はぞろぞろ出てきますが、あまり面白くない。とくに道の駅はもうどこも公設土産物店のようです。丁寧な仕事をしている店を紹介する雑誌もありますが、それを片手に巡って歩くミーハーにもなりきれない。だからこれも行き当たりばったりで飛び込んでいくしかないのですね。食べものであれば、朝市や地元の小さなスーパーを覗くと結構面白い。海辺の街にはだいたい朝市があるので、期待してみよう。
by organic-cambio
| 2014-07-29 15:30
| 店主の雑言
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