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足元の岩まで潮が来たら腰を上げようと決めていた至福の時間が満ち、イスとテーブルを車に積み込んで再びリアス式の海岸を南に向かう。途中から細い半島を乗り越えて山の上に出ると、眺めの良い公園があった。その名も「空の公園」。わが自宅がある上伊那も、二つのアルプスに囲まれた伊那谷を見渡す空の広さが自慢だけれど、丘からリアス式海岸を見渡す広さもまた素晴らしい。公園の一角にはアサギマダラの休憩地という立札があった。本州中部で繁殖した蝶が、海を渡って沖縄や台湾まで旅をする途中、この辺りに降り立って羽を休めるらしい。真夏の今頃、彼らは涼しい霧ヶ峰に咲くヒヨドリ草の回りで蜜を吸っているはずだ。その蜜をエネルギーとしてため込んで、はるか南の島まで風に乗って飛んで行く。人間は車に乗ってたいそうな資源を消費してここまでたどり着くが、彼らのシンプルな旅は必要最小限のエネルギーしか使わない。もし霧ヶ峰で自分がマーキングした個体にこの休憩所で出会ったら、さぞかし感激することだろう◆再び海辺に下り、入り組んだ海岸線をたどる。奥深い入り江の静かな海に、たくさんの生け簀が並ぶ。もうここは宮崎県に近い蒲江というところ。ホテルではなくこんな鄙びた海辺の民宿に泊まるのも悪くはないな、と次の機会に申し送りをしておく。ホテルのネット予約のおかげでずいぶん楽に宿を決められるようになったが、まだ民宿でネット予約ができるところは少ない。昔のようにイチかバチか電話で予約する時代ではなくなったのだから、もっと民宿の予約サイトが充実したら利用も増えると思うのだけれど◆蒲江の道の駅で海の幸を物色し、鶏の塩唐揚げをつまむ。大分はどこへ行っても鶏の唐揚げだ。街中の一角に唐揚げスタンドが営業していて、注文するとその場で揚げてくれる。唐揚げを食べながら時計を見るとまだ4時だ。今日の泊りは津久見だから、まっすぐ戻れば6時前には着いてしまう。このまま一日をおしまいにするにはもったいないので、津久見とは方向違いの竹田に向かい、長湯温泉のラムネ館で炭酸温泉に浸ってみようと思いつく。国道10号を北上して熊本に向かう中九州道に乗り、1時間半ほどで山の中にたたずむ長湯温泉に着いた◆長湯温泉は炭酸泉として知られるが、今回の目的の半分はラムネ館という独特の建物を見てみたいという欲求だった。とんがり屋根のてっぺんから木の枝が付きだしているスタイルは、茅野のある建物と共通するところ。設計したのは茅野出身の藤森照信さん。背の低い入り口から腰をかがめて脱衣所に入り、土壁に囲まれた浴槽で温まる。外には炭酸泉の源泉があって、32℃というプールのような温泉に人がぎっしり詰まっている。しばらくすると手足に無数の泡が付くので、それを楽しみながらゆっくりと浸かる。地元の人の話では、今日はお盆の15日とあっていつになく混んでいて、早い時間帯は入場制限で入れなかったそうだ。海にいるときはこの山の中の温泉に来ることは全然考えていなかったが、思いついたらすぐ行ってしまうところがわれらのスタイルなのだ◆8月16日。津久見のホテルも安ホテルだからWifiは部屋まで届かず、ロビーまで受信しに行った。朝食のバイキングでは山盛りのご飯を食べる一方で、パンをてんこ盛りに持ってくるおじさんがいて、さすが九州の人はよく食べるんだなぁと感心していたら、パンは連れのおばさんがすべてバッグにしまい込んでしまった。そうか、そこまでやるのかと、おかしなことに感心した。昨日の大分のホテルでは、おそらく認知症と思われるおばあさんが困ったちゃんになっていたし、見ず知らずの様々な暮らしをする人が一堂に会してバイキングという方式で食事をすると、世の中の縮図を見るようで面白いが恐ろしい◆津久見という街はセメントの街だった。裏にそびえる山から掘り出した石灰岩を、精製してセメントにする工場が海辺を占領している。津久見の駅は大きくカーブしている。それを以前に何かの記事で読んだ記憶があって、つまらないことなのになぜか覚えていた。掲載されていた写真に駅で女子高校生がたたずんでいたのを見て、どこの街にも暮らしがあり、青春があり、別離があることを感じた。それは当たり前のことだけれど、知らない土地での暮らしを見てみたいという欲求はそんなところから湧き上がってくるものなのだ。エキゾチズムとまでは言えないけれど。
by organic-cambio
| 2015-09-16 15:36
| 店主の雑言
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