2週間のお休みをいただき、ゆっくりいろいろと考えました。何を考えたのかとここに書くほどのことでもないのですが、とにかく毎週当たり前のように書くのはいったん止めてみたのです。せっかくエネルギーを費やして書くのなら、きちんと伝えるべきことを伝えるように書こうと思ったのです。
少し書く内容にも、書くスタイルにも飽きていたことも動機のひとつです。ツバメの雛が今年も孵って・・・と書き始めて、これは去年も書いたかもしれないと去年の同じころの原稿を見たら、同じような書き出しで始まっていました。そこでプツンと糸が切れて、書くことを止めて少し考えることに。
このコラムは、週間のお知らせのオマケとして書きはじめました。物売りに傾きがちなお知らせに、書き手の声で息を吹き込むためでした。いつの間にか調子こいて長く書くようになってしまったのです。長いと読む方だって大変です。コンパクトにまとめるように、今後はこんな体裁にしようかと。
伝えたいこと、知ってほしいこと、書きたいことはたくさんありながら、書いていく途上でいくつもの関節ができ、それぞれで違う動きをするために最初のエネルギーが、最後ではほとんど弱まってしまうことがありました。だから、何のために書いているのかが、わからなくなってしまったのです。
実は5月に店のPRを書く機会があって、恥ずかしながらとても苦労しました。一番よく知っているはずのCAMBIOという店を、文章化しようとしてもうまく書けなかったのです。自分が他人からどう見えるか、どう理解してもらおうとしているのかに、全く無頓着であることに気が付きました。
CAMBIOという店は、商品もさることながら、コンセプトを買っていただく店です。どの品がいくらではなく、こんな人が作っているということを知ってもらいたい。こんな作り方をする人を応援することが、結果としてこういうことにつながる、というように読んでいただきたいと思っています。
開店したころとははっきりと時代が変わりしました。その変化に応じた店づくりをしてきたつもりですが、まだ不十分です。もう少し変わらなければなりません。そのためには当たり前のように続いていることをいったん止め、周りを見渡し、鏡に映った己の姿をよくよく見つめる必要があったのです。