畑仕事が本格的になり、新聞の折込チラシに野菜苗や農薬の広告が見られるようになって来ました。農薬の広告の中で一番種類が多いのはどうやら除草剤のようで、水田用から粒剤やら液剤やら非耕作地用の何でも殺しますという物騒な効き目をうたうものまで、ありとあらゆる種類が売られているようです。
昔から畑の草取りに苦しんできた人にとっては、噴霧器で薬をかけるだけで草が枯れてしまうのは一種の魔法のようなもので、こんな楽な方法を使わない手はないのでしょう。
農薬の分類からすると、除草剤は作物自体にかける薬剤ではないので、この作物には殺菌剤を何回に殺虫剤を何回使いましたという一般栽培の防除暦の中で使用回数はカウントされません。だから、一般栽培の畑では作物の周りに除草剤がずいぶん撒かれているようです。(私たちが扱う有機野菜の生産者は全く使いません)
しかし考えてみれば、薬を撒いただけで草が枯れてしまうというのは恐ろしいことです。草も生命のひとつと考えれば、触れただけで生命が危うくなるような薬を身の回りに撒くということです。いかに使い方を守れば安全といううたい文句があったとしても、撒いただけで草が枯れてしまうという結果を考えれば、その安全とは人間のご都合主義以外の何ものでもないのです。
夏の空の下で一面の青草が茶色く枯れているのは、死の風景です。除草剤を使うのは、やめてください。2008/4/29