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最近はエコカーという言葉が一般化したようで、高速料金の割引案では「休日の一般車は上限2000円、エコカーは上限1000円」となるらしい。エコカーとはハイブリッド車などの大気汚染物質などの排出が少なくて、環境への負荷が少ない車という定義があるらしいけれど、どうもへそ曲がりの私は、そういう「地球にやさしい」的なものにいつも疑念を抱いてしまう。
自動車メーカーはそんなエコカーの開発にしのぎを削る一方で、インドや中国などを新たな巨大市場と見て、いかに安くてたくさん売れ、そして儲かる車の開発にも余念がない。エコカーは最新技術の高付加価値に対して、新興国向けの車は低価格だからそんな最新技術は盛り込めないはず。言い方を変えれば、先進国ではハイテクのエコカーを「地球にやさしい」イメージで売り、新興国ではローテクの低価格車をバンバン売りまくっているのだ。 仮に世界中でエコカー1台に対して低価格車1台が売れたとしたら、エコカーの「地球にやさしい」効果はチャラだ。1台に対して2台売れたら、地球環境全体にとっては大きなマイナスが進んでしまうことになる。今、世界中で問題になっているCO2による温暖化(私はこれにも懐疑的だ)は、日本やアメリカといった先進国の局所的な問題ではなくて、地球全体の問題なのだから、小さな島国でハイブリッド車でエコカーだなんて喜んでいていいのだろうか。 さらに先日のニュース(asahi.com朝日新聞2011/1/22:国産エコカー、燃費表示に「?」、新測定方式義務化へ)によれば、ハイブリッド車を含む日本の車の燃費は、ほとんどウソなのだそうだ。カタログに載っている燃費は、一般のドライバーが車を実際に走らせるのではなく、プロのテストドライバーが、低燃費を狙った運転をした数値なのだそうだ。だから、エコカーの中でも一番の1リッター38kmと謳われているプリウスの燃費は、一般ドライバーが数値を寄せるケータイの燃費公開サイトによれば、実際には何と21.7kmでしかないという。 38kmが実際には21.7kmというのは、カタログ値の57%しか走らないということで、リッター38kmも走る低燃費のエコカーという宣伝は真っ赤なウソということだ。ひどいもんだなぁ、測定方式は行政が決めることだから官民つるんでウソをついているということだ。そこで、この4月から実際の燃費に近い数値になる測定方式を導入し、今までの方式からの切り替えを義務化するそうだ。 不思議なのは、そんなにカタログ値と実際に開きがあっても、今まで社会的に大きな問題になっていなかったことだ。日本を代表する自動車メーカーの謳い文句にウソが載せられるからくりがあっても、どこのメディアもこれを消費者に解りやすくきちんと伝えようとしなかった。(私が知らなかっただけかもしれないけれど)。 今回、朝日新聞がなぜこのニュースを出したかと言えば、4月から新方式に切り替えられ、この燃費のウソが過去形になることをみこしているのだろう。こんな燃費のウソを朝日新聞の記者が全く知らないわけはなく、大きな広告主と読者の顔を見比べて、もうすぐ過去になる事実だから今のうちに載せた、と勘繰るのはおかしいだろうか。 新聞には紙面という制約があって、放送には時間という制約があるから、起きたこと取材したことのすべてを伝えられるわけではない。だから、伝えられるニュースはメディア自身が取捨選択した結果だ。広告主の顔色を窺ったり、取材相手の政治家にとって都合の悪い記事は書かないのが、メディアの常識らしい。 日本人も時にはアラブ人のように怒った方がいい。 2011/2/1
by organic-cambio
| 2011-02-01 18:19
| 店主の雑言
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Comments(1)
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