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今回の大震災で被災した人たちの姿は、映像で世界中に伝えられたらしい。家も家族も一瞬にして失った人が、取り乱すでもなくただ茫然とたたずむ姿。水を求めて給水車に整然と並ぶ姿。瓦礫の中から家族の写ったアルバムを見つけ出して喜ぶ姿・・・。何があってもオーバーな感情表現をする人たちや、列車に乗るのも乗車口からではなく、われ先に窓から乗り込もうとする人たちから見れば、日本人のメンタリティには目を瞠るものがあっただろう。
とくに今回の被災地は、気候風土が厳しく、昔から凶作の悲話が数多い東北地方だったことも、外国人から見た日本人像に少なからぬ影響を与えたはずだ。これがビルとマンションばかりの東京が被災地だったら、同じような日本人像を描いただろうか。日頃から風雪や冷夏に耐え忍ばざるを得なかった人たちの作る表情は、実に深くて厳しさにあふれている。この人たちを以って日本人像とするのなら至極光栄であるけれど、実際に今の日本人を代表する顔は、もっと欲深く脂ぎっていることを私たちはよく知っている。 原発の事故によって故郷を追われた福島の人たちの表情を、外国のカメラマンが捉えたらどんな顔に写すのだろう。「LIFE」や「NATIONAL GEOGRAPHIC」に載るような、粒子は粗いけれど奥深くから湧き上がる感情を捉えるようなカメラマンなら、自治体の役場機能ごと漂流する退避圏内の人たちを、どんな表情に写すのだろう。津波で全てを流された人たちの、悟りにも似た諦めに近い表情とは違って、家も畑もすべてを置いて避難所を転々と漂流する人たちの顔からは、どんな苦悩が読めるのだろう。日常の生活を続けている私たちは、その苦悩をどれだけ理解できるのだろう。 その福島や新潟で原発を動かし、梓川にはいくつもの巨大なダムを築いて水力で発電し、そのすべてを奪ってきた東京は、この期に及んでも23区内は計画停電の範囲に入れず、そのツケを周辺地域に押し付けるという醜さで生きながらえている。東京(だけではないけれど)に送るために発電していた福島の原発が事故を起こし、周辺の人たちが漂流するように避難しているというのに、さらに周辺の地域さえも犠牲にしてのうのうと普段通りを貫いている様は、まことに見苦しい。 外国でニュースを見聞きする人たちは、東北の津波被災地と、放射能を出し続ける原発、漂流する福島の人たち、そして普段通りを貫く東京の街が、わずか数百kmの距離にあることをどう思うだろうか。辛抱強いメンタリティに目を瞠った後で、御しやすい羊の群れのような人たちと思うだろうか、金と利権でいかようにも動く経済動物と蔑むだろうか、どんな危機にあっても首都を守ろうとするかつての全体主義を思い出すだろうか。 東日本大震災と名付けられた災厄は、地震と津波だけでなくエネルギーの矛盾もあぶりだした。金さえ払えばまるで空から降ってくるかのように使い続けられた電気が、実は大きな危険の上に成り立っていることを、広く大きな犠牲を払って知らしめた。電力会社が自然エネルギーを軽んじてなぜ原発にこだわるのか、独占企業としての利権を豊富な資金でどのように囲い込んできたのかを暴き出し、新たなエネルギーの未来を描くには、津波のような力が必要だ。これ以上の災厄は望まないけれど。 2011/4/5
by organic-cambio
| 2011-04-05 18:43
| 店主の雑言
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