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年末に図書館で本をしこたま仕込んだが、寝込んだり出かけたりで大して読めないまま返すことになった。その中に「本にだって雄と雌があります」というとぼけたタイトルの本があって、読み切れなかったがなかなか面白かった。本を読むのが生きがいの祖父さんの本は家のありとあらゆる場所を占領し、なおかつ雄の本と雌の本は夜な夜な事をいたして本の間には本の子供が生まれている、というファンタジーというにはかなりセピア色ですり硝子と裸電球が似合うお話◆その手のお話本にはとんと縁がない私がその本を借りようと思ったのは、そのタイトルと文体が気に入ったからだったのだけれど、これが本屋だったら絶対に手にすることはなかっただろうと断言できる。図書館が好きな理由は、こんな自分の好みとは畑違いの本にも気軽に首を突っ込んで読んでみることができるというところ。本屋には並べる本が売れるかどうかという当然の選択があり、厳しい状況の中で商売を成り立たせるための当然の制約がある。図書館ではそんな制約がない上に、過去に出版された本も並んでいるからとても贅沢な空間になるのだ。書架の間を歩いていると、どこからともなく「どれを読んでもいいんだよ、いくら読んでもタダなんだよ」という誘惑の声が聞こえてくるような気がする。そして、いつの間にか、どう考えても読み切れない数の本を抱えて歩いていることになる◆本を愛する人は、本を読むことにとどまらず本を所有することも愛している方が多く、件の祖父さんのように家の中を本が占領してしまうということが起きるようだ。知的な人はほぼ間違いなく多くの本を読んでいるから、蔵書の数はその人の頭の中を表していると言っても良いのかもしれない。でも、知的とはいっても病ダレのついているわが頭は、とても他人にお見せできるどころか隠しておきたい最たる部分なのだから、なるべく蔵書などは持たない方が良いのだ。おまけにビンボー人の子だくさんを絵にかいたような経済状態なのだから、本を読むならタダにこしたことはない◆そこで今後は「本と財産は持たない」を座右の銘とすることにして、さらに徹底することにした。本は家を狭くするし、分不相応な財産はココロを狭くする。このふたつを持たないようにすると、きっと将来は身軽で幸福な毎日を暮せるだろうと信じている。実は今は多少の財産があって、時々その存在に惑わされる時がある。財産は減ることがあってはならないのでひたすら守ることに汲々とするものなのだが、太っ腹なわれらは毎月少しずつ減らしてしまう。どこかの国はデフレ脱却のためにインフレに目標を定めるらしいが、どうせなら2%なんてセコいことを言わずに、ゼロが三つも四つも増えるほどのハイパーインフレになってデノミをしてくれないかと願うほどだ。そうなれば財産は紙切れのようになってしまうけれど、頭に横棒がついているわれらの財産は、無くなってしまってもちっとも惜しくはないぞ◆座右の銘を定めて煩悩を振り切ったおかげで、昨年末は宝くじを買わなかった。毎回買うほどではなかったが、時々楽しみに宝くじを買っていた。いつも当たらない上に末等の300円を換金しないので、カミさんからはカネの無駄だと不興を買っていた。昨年末も正直に言うと、宝くじ売り場のそばを通りかかったときは美女のささやきにココロが揺れたのだが、お金を持っていなかったので買わずに通り過ぎた。夏には配達の途中でいつもと違う売り場で買ったのだが、すでに売り切れ近くになってバラしか残っていなかったせいか、かすりもせずにカミさんの冷笑を浴びた◆年が明けたある日、地元紙のニュースを見てわがココロはざわざわと音を立てた。あのいつも買う宝くじ売場から1等と前後賞計6億円の当たりが出たという。県内ではここだけだそうだ。しかも連番ではなくバラの中から。そうか、もし誘惑に負けて売れ残りのようなバラを買っていたら、そんな大金が転がり込んだかも知れなかったのか。そうか、買わなくてよかった。万が一当たっていたら、ココロの狭い自分はきっと道を踏み外しただろう。店を休んで遠くの国へ遊びに行くことを考えたり、似合いもしない高級車を買おうとしたかもしれない。採算も考えずに店を大きく作り変えようとしたかもしれないし、何よりも毎日休みなく働くことができなくなっただろう。よかったよかった。宝くじなんか買わなくてよかった。万が一当たっていたら、人生ガタガタになるところだった。よかったよかった。当たらなくてよかった。本と財産は持たないのだから。よかったよかった、ほんとによかった。これでいいのだ、うん、うん。 2012/1/15
by organic-cambio
| 2013-01-15 17:45
| 店主の雑言
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