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よく知られるように、古い東京の町には下町と山の手がある。その境目は、隅田川に沿った低地の下町から見ると一段高い丘になっている武蔵野台地の東端だったらしい。王子から谷中や湯島を通って麹町辺りまでがそのライン。山手線の外回りと並んで走っていた貨物線は、駒込から田端に至る辺りで山手線の下をくぐり、トンネルを抜けて台地の下辺に下りて王子へ向かう。貨物線を跨いだ山手線は坂を下って田端の駅に滑り込む。いまや貨物線は湘南新宿ラインとなって北関東からの電車が通っているが、私たちが高校生の頃はまだ長い貨物列車が旧型の電気機関車にひかれて走っていて、私が通っていた私立高校は、その貨物線のトンネルの上にあった◆そんな立地だったので、生徒の中には山の手のボンボンがいれば、下町の小僧もいるといった具合のバラエティに富んだ構成だった。埼玉に近い東京のはずれで育った私はそのどちらにも属さなかったので、同じ東京でありながら結構いろんな気風を感じることができた。とくに下町の小僧たちには独特の言い回しのようなものがあって、何かの拍子に飛び出してくる言葉には下町らしさの歯切れの良さを感じた。彼らが使う言葉の中には私が知らない言葉もあって、それを下町特有の言葉だとずっと思いこんでいた。とくに、いつも小狡いことをする男のことを「こすっけれぇやつ」と呼んで忌み嫌うのが、いかにも下町らしく感じていた。人格ができかけてきて張りぼてのように自分を見せたがる高校生という世代にとって、そんな「こすっけれぇやつ」と呼ばれることは何よりも屈辱だった。人前で小狡いところを見せてはいけないと思うようになったのは、そんな彼らのおかげかもしれない◆山の手のボンボンを象徴するような島国の首相は、つい最近ニューヨークにお出かけして国連で演説をしたらしい。どうやらその演説の出席率は散々だったようで、ネットのニュースではわずか13%だったという。聞くほどのものではないと国連の場で示されてしまったというのだが、そんなニュースは大新聞に載っていなかった。ひょっとすると載っていたのに見落としたかもしれないが、それほど扱いが小さかったということだ。さらにおまけがあって、その後の記者会見でアメリカ人の記者から「予定外」の質問が出て、しどろもどろになってしまったという。これまた大新聞には載っていなかったか、見落とすほど小さかったのだろう。なぜ「予定外」なのかというと、彼の記者会見はすべて前もって質問が提出されているものに限る、ということになっているからだ。聞かれることが分かっていれば、その答えを用意して記者会見に臨める。よどみなく答える姿は指導者らしく見えるが、実は前もって知らされている「出来レース」の記者会見だったのだ◆ネットでこのニュースを見たときに、思わず数十年ぶりに口を突いて出てきたのが「こすっけれぇやつ」という言葉だった。日本ではもともと記者クラブというマスコミの悪い習慣があって、記者会見には記者クラブに登録していない社は参加できなかったり、質問ができなかったりする。質問をする相手とされる相手が仲良くしましょうというクラブがあれば、都合の悪い質問なんかできなくなる。過去には新聞記者が政治家にアドバイスをしたり、演説の原稿を書いたりしたこともあったらしい。そんな関係の取材から政治家に都合の悪い話などは書けるわけがないし、実際に読む側には知らされてこなかった。ところが、ニューヨークでも同じことをやっていたので、外国人記者におちょくられてしまった。しどろもどろになったボンボンは、次に予定されていた質問をキャンセルして記者会見から逃げ出したそうだ。なぁにやってんだ、こすっけれぇやつめ!聞かれたことなら堂々と答えてみやがれってんだ◆高校を卒業してからも、下町の小僧たちとは一緒にスキーに行った。春休みの3月下旬から4月の初めにかけては八方尾根にテントを張ってスキーをしていたので、毎年彼らと10日近くも寝食を共にした。思わず口を突いた「こすっけれぇ」という言葉を調べてみると、下町の言葉ではなく全国的に使われている言葉であることが分かった。「こすっからい」が基本で漢字では「狡辛い」と書く。人を欺いて自分に有利に立ち回るさま。悪賢い。ずるい。という意味。それが下町風の崩し方になって「こすっけれぇ」なのだ。使い方として間違っていない。
by organic-cambio
| 2015-10-13 15:02
| 店主の雑言
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