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2日(土)から御柱祭が始まって、人の動きがいつもと変わった。今週は上社の山出しだから岡谷は関係ないだろうと思っていたが、やっぱりみんな気になるのだろうな。きっと生中継をしているケーブルテレビの前に釘づけなんだろうな。来週の下社山出しの日々もCAMBIOはいつも通りに営業してますよ◆上社山出しが始まる前日の1日(金)に八ヶ岳周辺を配達と集荷で回ると、お客さんは誰もが御柱には興味を示していなかったが、地元出身の生産者は家にいないか、いても地に足が付いていなかった。お客さんは移住者ばかりだから、マイペースで暮らしたい人が多い。生産者は移住者であっても地元の付き合いが欠かせないから興味を示す、という構造のようだ。地元に生まれて今も地元で暮らす人たちには御柱DNAが埋め込まれているので、この日に向けて着々と準備を進めている。この時代にあってもたくさんの人が一致団結してひとつの柱を曳くというのは、見事なまでの地縁というものだと恐れ入ってしまう◆生まれ育った東京のはずれで28年、所沢を経て青梅で6年、岡谷で店の上に2年、そして今の地で22年。思えば私は点々と引越しを繰り返してきたので、地縁と呼べるものがない。いま住んでいる地域での役がそろそろ回ってきそうだが、数週間前に書いたような移住者としてのジレンマを抱えたままで、まだその地域に帰属感を感じるほどの地縁が育っていない。そもそも東京というところは下町を除けば移住者ばかりの土地柄だから、地縁というものがほとんどないに等しい。子供のころに原っぱだった空き地にどんどん家やアパートが建ち、長く住んでいる人だって数十年、アパートの住人は数年で入れ替わる。昔から住んでいた農家だけは住いと庭の広さが一ケタ違い、あとから家を建てて住んだ人は猫の額のような土地に、ウサギ小屋と外国人から揶揄されるような粗末な家ばかり。学校に行っていると自動的に地域性を帯びてくるけれど、高校生になってその地域性も外れると、地域性よりも匿名性が優先されるようになる。その年頃にはそれが結構また快適でもあったので、その後に点々とした先でもついぞ地域とかかわることはなかった◆その後も両親が東京に住んでいれば、自分にとっての故郷として帰る場所になったかもしれないが、何を思ったか、孫と一緒に暮らしたかったか、信州にやってきてしまった。だから、私にとって東京という場所は、帰るべきところのないかつて暮らした土地という位置づけでしかない。生まれたところを故郷というのならそう呼ぶことは吝かではないが、あまり気持ちがこもった呼び方にはならない。小学校や中学校の友達はいまだに地元に住んでいる人もいるが、地元に残っているもの同士での付き合いが強い分、離れてから長い時間が経つと会いに行きにくくなる。だから、転居して30年になるが、かつて子供時代に遊んだ街を尋ねることは一度もなかった。ときどき夢の中で思い出のある場所を訪ねることはあるけれど◆子供のころの出来事は、胸の中に描かれた刺青のようなものだと思う。楽しいことも多いけれど、記憶から消してしまいたいようなことに限って、決して忘れることなく胸の奥に刻まれてしまう。その刺青の絵は土地にも描かれているようで、忘れてしまいたい恥ずかしいこと悔しいことをたくさん残してきた私は、生まれ育った土地に敢えて足が向かないのかもしれない。でも、子どもであればそんなことをしでかすのが当たり前のことだから、地域の中でずっと生きていれば消化されてしまうのだろう。御柱を引く人たちの中にも、きっとそんな過去の喜怒哀楽が刻まれているはずだ。切っても切れない地縁と血縁。地元で生き続けるということは、その呪縛とうまく折り合いをつけるということでもある。それに比べれば、私が折り合いをつけようとした移住者と地元の関係などずいぶん小さなことではないか。そう思いながら木落しの映像を見ると、御柱祭で年齢や立場を乗り越えてひとつの柱を曳く人たちの姿が、今までとは違ってまばゆく見えてくるのだった。
by organic-cambio
| 2016-04-05 15:08
| 店主の雑言
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