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先の日曜日に、下伊那郡松川町の果樹農家である水野耕一郎さんが、CAMBIOにリンゴジュースを届けてくれました。先代の邦美さんから始まって、CAMBIOの梨とりんごはずっと水野さんから頂いています。私たちは秋になると毎週のように水野さんのお宅までりんごや梨を積みに行きますが、水野さんがこちらを訪ねてくるのは大変珍しいことです。しかも摘果で忙しい時期だというのに。
耕一郎さんが果樹農家を継いで18年。樹には草をすきこむだけで肥料を与えず、剪定技術を磨いて樹勢を整えることで農薬の使用を限りなく抑えています。次々と生まれる新しい品種も少しずつ試し、10月に収穫する中生種は個性的な品種が多くなりました。今も各地の試験場で新たな品種が開発されていて、カットしても変色しないものや、果肉まで赤いものなどが次々と登場しているそうです。
今のりんご栽培は、樹を管理しやすく小さく一列で育てる矮化栽培が主流になっていて、新たな樹を植える場合は矮化にするように補助金で誘導されています。小さな樹を1列のネットに縦に這わせるように育てる栽培法ですが、畑を効率よく利用して労力を省くのが目的で、より美味しく育てるための方法とは言えません。水野さんの畑にも秋映など少しだけ矮化の樹はありますが、積極的ではない。
矮化の樹は根も大きく張らないので密に植えることができます。でも、りんごの実を美味しく育てるためには根がたくさん養分を吸い上げる力が必要です。根が小さければその力も限られる。水野さんが園地の草を刈ってすきこむだけで樹に肥料を与えないのは、樹に大きく根を張らせるため。最近は人気が落ちた二十世紀梨を伐った跡にも、マルバカイドウという大きくなる樹の台木を植えました。
効率を上げて労力を省くのは、農業を経済活動と捉えるなら当然です。でもりんご栽培は、工業のように規格に合った素材を加工すれば同じものができるわけではない。同じ品種のりんごであっても、栽培の方法や条件によって大きく味に違いが出ます。栽培する人の努力だけですべてが決まるわけでもない。かと言って、株式市場のように神の手が働くわけでもない。さまざまな要素が介在します。
マルバカイドウを台木にした大きなりんごの樹は、植えてから30~40年後が樹勢のピークになり60~70年で寿命を迎える。まるで人間の一生と同じようなライフサイクル。何を優先するかで選択肢を選ぶときに、水野さんは効率より美味しいりんごが育つ要素を選択したわけです。それは自分の代だけのことではなく、次の代にもこのりんごの樹が引継がれることを意味する大きな選択です。
年に一回しか収穫できない果樹はリスクが大きい農業です。毎年のように異常な気象があり、経験が長いだけで判断できない災難もある。それだけに選択の要素として何を優先するかは、水野さんがこれから何を目指すかを端的に表すことでもあります。変化が加速度的に早くなる時代にあって、農業の中でも果樹という永年作物を育てる仕事には、長い時間的スパンで物事を考える必要があるのです。 ![]()
by organic-cambio
| 2018-06-19 17:23
| 店主の雑言
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