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4日間の休みを九州で過ごし、胸の奥に沈んでいた澱を流してきました。関東をウロウロしていた8月のお盆は、頭のどこかに仕事のかけらがカサコソと音を立てていたのですが、九州まで来るとすべてを忘れて全開放の日々。その違いは生活拠点からの距離に応じるのか、未知の世界に反応するのか。いずれにせよ、タコ壺の中から出ていろいろな刺激を受けることは、毎日の仕事の糧になるのです。
可能な限りコストを抑えて旅をしてきた今までとは違って、今回は途中の道程を飛行機で省き、現地の人と言葉を交わす機会を多く作りました。自分の車で目的地に走っていく過程も旅の時間として好きなのですが、トータルコストが同じで旅先で過ごす時間が圧倒的に増える方法を試してみました。これがフツーの旅なのでしょうが、カラダのコンパスと距離感が一致するかどうか不安だったのです。
現地の人と多く言葉を交わすために鄙びた漁村の民宿に宿をとり、街ではガイドさんをお願いして歩きました。普段であれば寝る時だけホテルの個室で、あとは街や道路を彷徨うのがスタイルですが、今回は海辺で美味しい魚を食べるために、天草で一日一組しか予約を取らない民宿に泊まり、宿の人といろいろな話をしました。熊本弁で海や魚の話を聞きながら、食べきれないほど新鮮な魚を堪能。
熊本に行くと観光地としては誰もが阿蘇を挙げますが、私たちは迷わず天草を選びました。どんなに阿蘇が雄大でも山の風景は日常ですから、イルカが泳ぎ新鮮な魚が獲れる天草の方に魅力があるのです。海と暮らしてきた集落とその中にたたずむ古い教会、そこで暮らす人たちが作る食べもの、地元の人同士が交わす言葉。山国の信州とは何もかも違っていて、遠くに来たなぁと感慨にふけるのです。
予約を入れると「魚は好きですか?」と電話が来たとおり、民宿の主は張り切って魚を調理してくれました。歩いてすぐの漁港には仲間の漁師がたくさんいて、沖に張られた定置網に入った魚を直前まで生簀で生かしておいて刺身にする。そんなカンパチはコリコリして活きが良いし、クロダイの焼き物、アカムツ、カワハギ、タコ、イカなど食べきれないほど。アンコウの丸揚げなんて初めて食べた。
魚を堪能した後は、民宿の集客をどうするかで零細な商売同士の情報交換。釣り客が車中泊するようになって減ったお客をどう取り戻すかという難題を議論する。主は翌朝3時から港に行き、揚がったばかりのサバを刺身にしてくれました。関東ではアニサキスを恐れて昔からサバを刺身にしませんが、九州では店でサバの刺身を売っています。何が違うのかは知らないけれど、魚の食べ方でも随分違う。
天草を訪ねたもう一つの目的は、昔の海辺の暮らし方が残る崎津集落と二つの教会でした。6月に世界遺産に登録され急速に注目が集まり始めているので、まだ静かな今のうちに行っておこうという魂胆。5年前に訪ねた長崎や平戸の教会の風景、昨春にまち歩きの勉強で聞いた潜伏キリシタンの歴史が甦ってきます。命懸けで守った信仰とは何なのかと、海に続く細い路地を眺めながら思うのでした。
崎津のいくつかの家には、この季節になっても注連縄が飾ったまま。幕府の弾圧から逃れるために、キリシタンではないように偽装をしたことが、今も風習として残っている。玄関サッシの上にさりげなく十字架が作ってあったり、バルコニーの切抜きが十字架だったり、今も信仰は息づいているようでした。これから観光地となっていく時に海辺の静かな生活がどうなるのか、一抹の心配があります。
by organic-cambio
| 2018-10-02 16:48
| 店主の雑言
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