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2年前から定休日を作り、毎週月曜が個人的な休日になりました。それまでは土曜と月曜の午後が休みだったので、土曜は各地のイベントに出かけたり図書館で本を漁ったりし、月曜は山を歩いたりふらりと何も決めずに思うままに出かけることがありました。今はイベントや図書館には全く縁がなくなった一方で、山に丸一日を費やすこともできるようになり、休みの過ごし方が随分と変わりました。 先週は久々にふらりと何も決めずに出かけたくなり、車で北信を目指しました。秋晴れの中、紅葉に染まる山を見ながら目的地も決めずに車を走らせて行きます。小布施のPAでトイレ休憩をしたついでにスマートICで降りちゃおうかと思ったら、ちょっと行き過ぎてしまったので次の中野ICまで行くことにした。まぁいいや、中野市って行ったことないし。中野ICで下りてさてどっち行こうかな。 高速料金が意外と高くて2600円も取られたから、帰りは下道でトコトコ帰ることにする。とりあえず志賀高原の方に進んだけれど、あまり奥に入ると帰るのが大変だから左に曲がったら千曲川を渡った。次の突き当りで飯山にしますか、豊野にしますかと問われたので豊野に向かって、また千曲川を渡ってICに戻った。そこで今日のテーマは何だ?と考えると街だったので、中野の市街に向かう。 地図もナビも見ないで市内をウロウロ。そばが食べたいから蕎麦屋を探そう。どうせなら鄙びた蕎麦屋が良いね。え、「しなびた」じゃなくて「鄙びた」だってば、やだねぇしなびた蕎麦なんて出てきたら。駅だってさ、病院だってさ、おやずいぶん古い街並みだよ、でも蕎麦屋はないね。ハラへったからセブンでWifiひろってグーグルに聞いてみる。街中に蕎麦屋はない、あるのは大きな公園の近く。 蕎麦屋に着いて車から降りるときにipad落として画面が割れた(泣)。蕎麦は鄙びてたけどオジサンがしなびてた(笑)。さて、ここから家まで地図を見ないで帰巣本能だけで帰るぞ。まずは小布施を目指すが、小布施の街中は観光客でごった返していたのでスタコラ逃げる。須坂に来て古い街並みに誘われたけれどまだ先が長いのでパス。綿内だってさ松代だってさ、そうだ松代の街も古かったね。 千曲市の工業団地を通り抜けて18号に出た。さて、上田に向かって和田峠から帰るか、稲荷山から麻績に抜けて松本に出るか。上田は先月行ったから、今回は姨捨から善光寺平を見るか。善光寺街道をゆるゆると登り、聖高原の山道を越えて麻績から坂北まで来て道の駅でひと休み。直売所でおじさんが白菜を選んでいる。「これはどこん家のだい、一番上の家かい、そんじゃ10個おくれ」て具合。 おじさんは白菜漬けるんだな。あそこんちのお婆は良いものを作るからご指名ってわけだ。直売所は地域の交易所でもあるわけで、われらが店の屋号も交易所をイメージして付けただけに、こんなやり取りで野菜が売れていくのを見ているのは楽しい。でも白菜1個100円てのは真似できないな。坂北から明科に向かわず峠を越えて四賀へ。無性にコーヒーが飲みたくなってセブンで100円払う。 日が傾いてきた。秋の日は釣瓶落としっていうけど、ほんとにあっという間に日が暮れる。四賀から松本市内に入って車が多くなる。信大の学生がたくさん歩いている。やっぱり大学がある街って活気があるね。おバカなことやってくれるし。縣の森から中山を越えて山麓線で山を眺めながら塩尻に。北信五岳から槍穂高まで来て、もう少しで八ヶ岳や仙丈が見える。日本の代表的な山が全部見える。 暗くなってきた。もうすぐ家に着く。何のことはない、ただ中野市まで行って帰ってきただけ。でも道中で見たこと感じたことはここに書ききれないくらいたくさんあって、それらが積もり積もって落ち葉堆肥のように胸の奥で醗酵して肥しとなり、感性が形作られていくのです。半日だけだけれどセレンディピティに満ちた時間が良い休みになるのです。助手席で付き合ってくれるカミさんに感謝。
by organic-cambio
| 2018-11-06 17:44
| 店主の雑言
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