9月が終わると一年も3/4が終わり。早いもんですね。4月で年度替わりになるものは、ここでちょうど半分。1階の八百屋と2階の食卓とで二足の草鞋状態ですが、来年4月からは店以外の仕事で住まいのある地域の住民総代という三足目の草鞋を履くことが決まっています。どうして忙しいのにそんな大役を引き受けたのか、とカミさんから白い目で見られていますが、今さらもう戻れない。
今週末は八百屋の営業と2階に出店があり、地域では秋のお祭りの準備があり、朝から夕方の閉店まで休む暇もなし。どんなに忙しくても多少のことなら乗り切る自信はありますが、ひとつ計算していなかったことがあったことに最近気づきました。3つもやると疲れるってこと。朝は4時半からヘッドランプをつけてお祭りの準備、荷を積みに行って店をセットして出店者を迎えて、やっぱ疲れるわ。
お祭りの準備では、集落から神社に向かう道に2対の大きな幟を立てます。大変なのは、幟を立てる太くて長い木の柱を立ち上げて、石の台に固定すること。集落の入り口に長い五反と参道の入り口に少し短い三反があって、五反の柱を立てるのは重くて長いだけに危険な作業です。少し立ち上がったところで梯子を柱の下に差込んで押さえ、みんなで持ち上げて柱を立てつつ梯子で押さえていきます。
仄暗い田んぼの道で数十人の住民が力を合わせるのは、昔からのお祭りの絵として悪くないかもしれない。でもだんだん住民も集まらなくなり、古くからの住民は歳をとり、数年前には長い五反は金属柱を固定して危険な作業はなくなりました。今年は三反の柱をみんなで担いで運び、石に根元を固定して10人ほどで持ち上げ、反対側から綱を引いて台に直立させた瞬間、ベキッと大きな音がした。
見ると、台から少し上の部分にひび割れが入っている。綱で引っ張り過ぎたのか、折れてしまったのです。長老が「これはダメだ」と言い、柱を元に戻して今年は三反の幟は無しになり、来年からどうするかという話へ。使わなくなった五反の柱を切るにしても太さが違う。五反と同じように金属ポールを固定したらどうかという提案が沸き上がって、来年に間に合うように手配することになりそう。
来年の総代は見積りを総会に提示して全員の了承を取り付け、9月末に間に合うように工事を発注することになる、ってやるのは私なんですけどね。何だってやりますよ、必要なら。車で走りながら他の地区の柱を見ると、みんなもう金属ポールですね。この時期にまだみんなで柱を立てていたのは、我らが地区だけだったのかも。明治の銘が入っている石の台だから、何ごとにも年季が入ってます。
話にはオマケがあって、五反の幟を揚げ終わって引き揚げようとする役員一行を、長老が呼び止めて言いました。「幟の向きが逆だよ」。役員だ総代だというとずいぶんベテランの域だと思えますが、まだまだ知らないことばかりで、地域の中ではハナタレ小僧なのです。集落に向かって字が裏になってはためく幟を見上げながら、「知らなかったことにしようぜ」と全員でズラかったのでありました。