暮れが迫っているというのに、末娘は引っ越しの準備で忙しいようです。犬の顔を見るために毎日LINEで1時間もビデオ通話してくるので、まるで隣の部屋に住んでいるように感じるのですが、こんどは都心のワンルームにお引越しだそうです。昨年の夏に自宅から都内に引っ越したばかりなのにまた引っ越し。今年は長男が熊本から東京に戻り、長女は東京から神戸に行き、あ、それは去年だった。
ワタシも30代は引っ越しを繰り返してました。今の家に落ち着くまでに8年間で5回。短いところは9か月、長いところでも3年で引っ越し。おかげで今はいろんな街の風景が夢に出てくる始末。引っ越すたびに荷物を整理していくので、最後に今の家に引っ越す時は6人もいるのにハイエースと軽トラで載りきる程度の家財に減り、手伝いに来てくれた友人に「ビンボー人め」と笑われました。
今の家にはもう30年近く住んでしまったけれど、もう引っ越しはしないとは言えません。今の土地にキョーレツな問題が起きたり、どうしても住んでみたい家が現れたら引っ越すかも。紀州の海辺に小さな家を持って信州の山の家と季節に応じて行き来する、なんて夢を描いていたこともありましたから。義父は80を過ぎてから一軒家を引き払ってマンションに移る、という大立ち回りを演じたし。
なかには失意の転居という場合もあるでしょうが、引っ越しは住む場所を自分で決められる基本的な自由なんだろうと思います。長女が神戸に引っ越した理由は、単に神戸に住みたいという理由でした。ワタシが信州で店を始めたのも、単に信州に住みたいからでした。社会や経済に縛られることなく好きな場所に引っ越すことができるのは、基本的な自由であるけれどかなり贅沢なのかもしれません。