いつもタコ壺の中で生きているので、世の中の通説と自分の考えに大きな差があることがよくあります。例えば人口が減っていくことについて、私は国土の広さや国内の食べものの生産規模からして減っていくことは良いことだと思っています。少子高齢化という今の状況は人口が適正化していく過程であって、戦争前後の一時期に産めよ増やせよで増え過ぎた人口を調整している段階だと思うのです。
世界の中で人口減が突出しているのだとしたら、それはこれから世界中が迎える状況を先取りしていることに他ならないし、経済規模が発展途上国に抜かれたとしても、過去になかった状況の最先端を進んでいると言えるでしょう。経済が常に拡大し続けることが資本主義の命題だから今の状況は落日だと思われているようですが、経済本位から転換できたらすごいことだしそれを目指すいい転機だし。
近くの分譲団地を犬と歩いていると空き家の多さに驚きます。もうすぐ空き家になると予想される家も少なくない。家が増えていくことを前提に作られてきた団地は、いずこも同じ状況を迎えているらしい。人口が減っていく状況が止められないことはもう明白なのだけど、人が少なくなることでプラスになることを発想できない今は、真っ暗なトンネルに入ったばかりで何も見えない状況なのかも。
イノベーションとはよく変革と訳されますが、本来は新しい価値を作ることを意味するそうです。状況が厳しい今は新たな価値を作らねばならない時期ですから、今は人口が適正化に向かっていて経済だけではない社会的な価値規範を作るときなのだと思うのです。それは何が相応しいのかわかりませんが、自然と共生することが経済に等しい価値として認められるようになってほしいと願うのです。