青森まで行って冷や汗をかいた話。自宅から青森までは片道約800㎞あります。日本海側を走って行くと、新潟から先は高速といえども片側一車線。のんびりたっぷり10時間はかかります◆二日目に白神山地を縦断する林道を走ろうと思っていたのですが、8月に降った大雨で通行止め。それでも入り口の十二湖を巡ろうと山道を少し登ったところで、車が異様な臭いを発しているのに気がつきました。ゴムや油が焦げるような臭い。直感的にヤバいことが起きていると察しました◆この数年は旅先で車のトラブルに見舞われることが相次ぎ、本拠地から離れた場所で立ち往生した経験から車を買い替えたのでした。まだ最初の車検も迎えていない新車だから、途中でトラブルを起こす危険はかなり少ないと思っていたのに、これはちょっとヤバいかもしれない。しかもここは青森の白神山地。山を下りたって点検を受けられるディーラーまではるか遠い◆カミさんはかなり不安そうです。以前のトラブルは街中や高速インターでしたから周りにいろんな人や施設があったけど、ここは名だたる山の中。ヤバい。そこで開き直ることしました。とっさに「これはさっき登ってくる途中で作業していた草刈り機の排気を吸い込んだのだ」とすっ呆けたのです◆実際に下り始めると臭いは消えました。でも、実際に何かが起きていることを知ってしまったので、気が気じゃない。実は2月にエンジンにオイル漏れがあってクレームで処置した経緯がありました。オイル漏れが起きやすいといわれるエンジン構造のメーカーなので、それと関連があるかもしれない。でもエンジンオイルなら漏れで不足すれば警告が出るし、途中で足しながら走ることはできる。それにしてもここは青森、家から800㎞、なんてこった◆それから2日間、ときどき臭いを感じてドキドキしながら青森で遊び、帰る日は十和田湖まで登る気になれず、まっしぐらに家を目指しました。何とか無事に家までたどり着き、翌日さっそくオイル交換と点検に出すと、その場で即入院。またオイル漏れが発生していたのです。やっぱりあの匂いは漏れたオイルがエンジンの熱で焦げた臭いだったのです。もう2回目なのでメーカー保証でエンジン交換になりました。2年で6万㎞走ったエンジンは新品になったけど、じつは薄氷を踏むような青森の旅でありました。ヤバイ時にはすっ呆けられるノーテンキも役にたつものなのですよ。